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健康診断で蛋白尿が陰性でも尿潜血を認めると「IgA腎症の可能性があります」と説明を受ける場合が多いと思います。

そして「IgA腎症」とインターネットで検索をすると、下記のような「IgA腎症は10年で20%、20年で40%程度が末期腎不全に進行する」という記述を目にすることもあるかと思いますが、

蛋白尿が出現・増加しないまま経過するIgA腎症も珍しくなく、その予後は良好、特に尿蛋白が0.5g 以下で経過した場合の予後は極めて良好であることが明らかとなっています。 

 

「5.予後 診断時の腎機能や症状により予後が異なる。成人発症のIgA腎症では10年間で透析や移植が必要な末期腎不全に至る確率は15~20%、20年間で約40%弱である 」 
 ~ 難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/203 

 

  • 蛋白尿が陰性であれば、仮にIgA腎症であっても 経過観察は必須ですが、過剰に心配する必要はないと考えます。 
  • 一方で、尿蛋白が1g以上が持続するIgA腎症の予後は極めて不良であり、免疫抑制治療の対象となります。

 

「IgA腎症は 10年で20%、20年で40%程度が末期腎不全に進行する」との記述は 予後はそれほど悪くない蛋白尿が少量で経過するIgA腎症と、尿蛋白が1g以上が持続する極めて予後の悪いIgA腎症(比較的まれです)をまとめて解析した結果です。

 

  

IgA腎症の予後は蛋白尿の程度が強く規定しています。

この10年ほどIgA腎症における蛋白尿と予後の関係を検討した重要な論文が報告され、以下の諸点があきらかとされています。 

 

蛋白尿の少ないまま経過するIgA腎症は珍しくなく、その予後は極めて良好なこと➡️

蛋白尿が少ないIgA腎症でも「一部の方」はその後に尿蛋白が増加し予後不良となる可能性があること➡️

蛋白尿が多いIgA腎症でも、その後に蛋白尿が減少した場合は予後はかなり良好なこと➡️

蛋白尿が1g以上が持続するIgA腎症の予後は極めて不良であること➡️

 

 

日本腎臓学会のIgA腎症ガイドラインではこのホームページほど蛋白尿の重要性が強調されていませんが、その事実は記載され、また、腎生検の推奨、免疫介入の選択などの治療指針ではIgA腎症の予後に蛋白尿が極めて重要であるという事実に沿った推奨がなされています。(「IgA腎症ガイドライン 2017 の記述より」をご参照ください➡️

 

 

 

治療のターゲットとしてのIgA腎症の蛋白尿 ➡️

高血圧、糖尿病、などでは、血圧、血糖値をターゲットとした治療を行い、長期予後の改善を目指す治療方針がとられています。


蛋白尿の多いIgA腎症においては、

蛋白尿が持続した場合の絶対リスクが極めて高いこと➡️

蛋白尿が減少した場合は腎不全進行のリスクが著しく低下すること➡️

が近年のコホート研究の結果から明らかとされました。
IgA腎症の蛋白尿は糖尿病における血糖値以上に予後に強い影響を及ぼします。
また、IgA腎症は10年以上の予後が問題となる疾患であること、病理分類も含めた病型が多様であること、罹患患者数がそれほどは多くないこと、などより Randomized Controlled Trial (RCT) により個々の患者さんの最適治療を決定することは原理的に不可能です➡️

このような事実から、IgA腎症の治療においては、蛋白尿を治療のターゲットとしたアプローチが理にかなうと考えています➡️。 

 

IgA腎症以外のCKDにおける蛋白尿

  IgA腎症以外の慢性腎臓病においても、従来より知られていた蛋白尿の程度が腎機能悪化の速さ・腎不全進行の危険性と強く関連することに加え、この数年、尿蛋白の減少した症例ではその後の腎不全進行のリスクが低下することことの報告が相次いでいます。
IgA腎症以外のCKDにおても、常識的な治療の範囲であれば、蛋白尿を治療のターゲットとするアプローチもあって良いものと考えています。

 

このホームページでは、患者さん、ならびに、腎臓内科医を含む医療関係者の方々に、IgA腎症とその他の慢性腎臓病における蛋白尿の重要性を示した近年の多数の研究成果を紹介することを目標としています。

 

2020 年2月から始めたホームページであり、極めて不十分な内容ですが、順次、内容の充実を試みたいと思っています。

 

よろしくお願いいたします。

 

申し訳ありませんが、
患者さんの病状に関するお問い合わせにはお返事したしません。
よろしくご了解ください。

 

 

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